葉酸以外にも大事な栄養素のこと【銅と亜鉛】

「妊娠に大事な栄養素といったら葉酸」

という知識は一応はあった元カタログ制作部勤務。

マタニティカタログのサプリメントページを担当していた時期もありました。

妊娠を考えた時からずっと葉酸は飲んでいたけれど、妊活歴が長くなるにつれてわかってきたこと。

それは葉酸以外にも非常に大切で、現代の女性に不足しがちな栄養素が色々あるということでした。

葉酸はいわばお腹の胎児に影響する栄養素。

妊娠が成立してから大事とされる栄養素(厳密には妊娠前から必要)ですが、その前段階で妊娠に影響するものが他にもあるなんて、妊活で悩むまでは知らなかったことでした。

なかなか妊娠しない、と悩む方に参考になることもあるかと思います。

普段の食生活や生活の仕方で改善できることもあるのでシェアさせてください。

目次

葉酸だけじゃなかった!

まずはおさらい。

妊娠中マストな栄養素といえば葉酸です。

その理由は生まれてくる赤ちゃんの先天性異常を減らすことに役立つ栄養素だから。厚生労働省が葉酸摂取の推進を発表したのは2000年のことになります。

その意識が浸透すると共に葉酸サプリメントは種類も年々増加、今や選ぶのに悩むほどです。

葉酸を特に必要とするのは妊娠初期ということもあり、葉酸は妊娠中だけでなく妊活中の女性にも注目されるサプリメントにもなっています。

妊活歴の長い私の葉酸サプリメント歴は11年(!)になります。

飲んでいるのはほとんどずっと「ファンケルのビタミンB群サプリ」です。

選んでいる理由はいくつかあります。

ビタミンB群の一種である葉酸はチームで働くのでB群全体で飲んだ方が良いこと、買いやすい価格やお店、一日の摂取目安量で妊活目的の葉酸400μgが摂れること、などが挙げられます。

けれど、葉酸サプリの摂取量や選び方は知っていても、妊娠が成立しないと・・なんですよね。

銅と亜鉛

一方、銅と亜鉛は生命機能を維持するために必要な微量元素のひとつ。13種ある必須ミネラルのひとつでもあります。

ミネラルは人の体内では作ることができないため食物から摂取する必要がある栄養素です。

これまでの私の少ない知識では、銅は貧血対策。

亜鉛は味覚に関係。生殖にも大事だけれど、特に男性に必要。

程度の認識でした。

ところが、その認識は変わりました。

2012年にアメブロにてスタートしたリプロダクションクリニック 松林先生のブログ

始まった当初、私は2011年に生まれた第一子育児の真っただ中。ほとんど読むことはありませんでした。

けれど2013年、39歳で二人目妊活をスタート。

高度生殖医療にチャレンジしても全然実らない結果。

なんでなんで?おかしいおかしい。。

松林先生のブログを読むようになったのは40歳を過ぎてから。

そこには、私が通っていた不妊治療クリニックではまったく聞かない銅亜鉛検査、慢性子宮内膜炎検査などのオプション検査のことがつづられていました。

銅と亜鉛は妊娠にどう関係する?

銅亜鉛検査がなぜ必要なのか?といったら、それは人の妊娠率(着床率)に影響するから。

具体的には、血液中の銅濃度が高いと妊娠しにくいということを知りました。

そんな検査、したことない!病院で聞いたこともない・・とショックでした。

銅と亜鉛は拮抗するミネラル。

片方が過剰になるともう一方の吸収が悪くなるなど、互いの量が影響し合う関係にあります。

そのため、検査は銅と亜鉛はセットで行われるものです。

血液中の銅濃度が高くなる理由

血液中の銅濃度と言われてもピンときません。

どんな食生活をしていると銅濃度が高くなるのか?について私なりに調べてみました。

銅の場合、通常の食品において過剰摂取が生じる可能性はない。サプリメントの不適切な利用に伴って過剰摂取が生じる可能性がある。

引用元:厚生労働省「日本人の摂取基準(2015年度版)策定検討会報告書

うーん。

「通常の食品において過剰摂取が生じる可能性はない」って。。

けれど、血液検査で銅濃度が高いことが判明する妊活女性がいる。これいかに??

貧血対策目的で銅サプリを飲んでいる人は別として、知らぬ間に銅濃度が高くなる理由。

そうか、それは亜鉛不足。

亜鉛が足りなくて結果的に銅濃度が高くなる、というわけです。

亜鉛が不足する理由

「銅過剰」とはあま聞かないけれど「亜鉛不足」という言葉は聞いたことがあると思います。

亜鉛が不足する理由として挙げられるのは、インスタントや加工食品の摂取。

食品添加物は亜鉛の吸収を阻害するといいます。

アルコールの分解にも使われるので飲酒も不足の原因になることもあるようです。

ところで私の銅亜鉛検査結果

実は今年に入り、銅亜鉛検査の結果で私はちょっとアワワな時期がありました。

事態はこんな感じ。

昨年末、16回目(告白するのは初めて!)の凍結胚移植が陰性に終わった時に採血検査をしました。

以前はこの病院ではやっていなかった銅亜鉛検査を今回は実施しましょうという。検査できるようになったのね、と思う。

年明けに検査結果を聞いたところ、医師に指摘されたのは亜鉛不足と銅の数値の高さ

  銅 ₌ 138 H

  亜鉛 ₌ 62 L

なんと!銅の数値が高いってダメじゃん、私。。

確かに基準値に入っていない・・・ビタミンDはセーフ。「亜鉛サプリ」は説明をしながら医師が書いた文字です。飲んでね、ってことです。

2017年5月にリプロダクション東京で同じ検査をした際は異常なしの診断だったはず。

二年近く経過しているのでそういうこともあるか。。でも先生、この検査、胚移植前に検査してほしかったかも、、と頭の中はグルグル。

その日から早速、亜鉛サプリメントを飲むことに。

色々入った病院オリジナルサプリを買おうと思いましたのに「ネイチャーメイドで十分」と先生。そうなんですかー??でも続けやすさにひかれて言われるままにこちらにする。

大塚製薬 ネイチャーメイド「亜鉛」サプリ

60粒入り 758円(近くのドラッグストアにて)

1日1錠、亜鉛含有量は10㎎

他社の亜鉛サプリは15㎎のものも多く、足りていないから飲むのに、これでは少ないのでは?と不安になり、次の診察で「本当にこれで足りるのか?」再確認するもやはり「十分」の回答。

亜鉛はサプリメントで補う。

では高い銅はどうしたら?

そうです、ここでも銅と亜鉛は拮抗の法則。簡単に言うと、亜鉛が増えれば銅は減る関係にある。

なので、銅が高ければ亜鉛を飲めばOKということでした。

銅も亜鉛もやっぱり足りていた

やはり、もう私は凍結胚移植がネガティブだった時のショックに耐えられない。

今月の治療はリプロ東京に戻ることにしました。

再診の日はたまたま松林先生在院の日。

これはもうミスター銅亜鉛に直接訊いてみたい!たくさん待ちましたが診てもらえることになりました。

私の銅亜鉛検査の結果を見た先生。一瞬にして

「これ?大丈夫ですよ、問題ないですね」とバッサリ。

妊娠に必要な基準値と一般の血液検査の基準値はイコールではないという理由からでした。

だから二年前の検査では何も指摘されなかったのだ。

ちなみにリプロダクションでの妊娠に必要な銅亜鉛の基準値は

 銅 ≦ 160

 亜鉛 ≧ 60

これでいくと、確かに基準値以内。亜鉛はギリギリセーフですけれど。

亜鉛のサプリは買ってしまったし、飲んでいても体に悪いものではないので続けてOKとの判断。

年明けに高い銅と亜鉛の不足を指摘されて、食べ物や生活のことなどあれこれ振り返ったり、調べてみたり。あのゴチャゴチャはなんだったのでしょう。

同時にクリニックによっても診断基準がこんなに違うのか・・とガックリしました。

凍結胚移植をしているクリニックも歴史はそれなりにあり、評判も悪くないところだと思うのですが。

いずれにしても亜鉛はギリギリでしたし、一般基準値の中では銅も高めなのでサプリや食生活を今一度気を付けたいと思う出来事となりました。

これから妊娠を希望する方たちのためにも

妊娠と栄養素の研究は年々進んでいるのだなと感じます。

葉酸やビタミンDについては広く認知されつつありますが、これらに加えて銅や亜鉛などのミネラルも、妊娠する上で大事な栄養素と知られるようになってきたようです。

不妊治療クリニック通いの長い私の主観ですが、それらについてはまだまだ発展途上なのだろうなという印象を受けます。

一方で、クリニック通いを始めた2008年頃から考えるとその進歩には感動。

以前は、検査するのは血液中のホルモン数値や卵巣や卵子、子宮の状態がメイン。

それらに異常がみられなかったら「特に異常はないのになぜ妊娠しないのだろう・・」と悩むばかりでした。

けれど、人の体は生殖器以外にも大事な器官はあって当然です。

血液中の栄養状態を診るというアプローチは目から鱗でしたし、その状態は妊娠までだけでなく妊娠してからも大事なことなんですよね。

「銅亜鉛比が高いと妊娠高血圧症候群が増える」と松林先生ブログにありました。

妊娠を考えているけれどなかなか妊娠しない、でもガッツリ不妊治療という感じでもない方は葉酸だけでなく亜鉛サプリを試すというのはありかもしれないと思います。

気になる方は血液検査をしても。

銅亜鉛の血液検査は私は8,000円くらいで受けました。一般のクリニックで出来るかどうかはちょっとわからずでごめんなさい。

*本当はビタミンDについても加えようと思いましたが、今回は長くなりすぎたのでまた別に書きます!

今後、より研究が進んで、妊活や妊娠中の女性たちの笑顔につながることを願っています。

おがわめぐみ

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