ぴったりの一枚に出会おう!妊婦帯選びに必要な知識
妊婦帯(にんぷたい)という名前は聞いたことはあるけれど、一体どんなもの?
妊婦さんのライフスタイルやファッションも人によってそれぞれ。
妊婦帯も身に着ける人に合うように様々な特徴、違いがあります。
買ってから後悔しないためにも、選ぶ時に知っておきたいことをまとめてみました。
目次
妊婦帯とは?
妊婦帯とは妊娠中のお腹や腰にかけてを保温、サポート、保護するものです。
日本には昔から安産を願って妊娠5ヵ月の戌の日にさらしをお腹に巻く「帯祝い」という風習がありました。
このさらしの帯は“腹帯(はらおび)”と呼ばれていましたが、これは平面で出来たさらし。
お腹に巻くのも外すのも、洗うのも畳むのも手間がかかる!という難点もありました。
それをより着用しやすく改良し、現在のような形にしたのが妊婦帯です。
妊婦帯には色々な呼び方があります
妊婦帯、腹帯(ふくたい、はらおび どちらとも読みます)、マタニティガードル、マタニティサポートに、マタニティベルト。腹巻タイプ、パンツタイプ。
呼び方はそれぞれ違いますが、その総称として現在は「妊婦帯」と呼ばれることが多いようです。
この呼び方は元々、昭和15年に犬印本舗さんが名付けたもの。
呼び名が統一されておらずまちまちなのは、メーカー独自に名称をつけているためですが、着用目的や着用の仕方はおおむねどれも同じです。
妊婦帯の着用目的
元々の妊婦帯の着用目的はお腹の保温、サポート、保護でしたが、近年、妊娠中の骨盤サポートを目的とした妊婦帯も増えてきました。
ユーザーにとっては求める着用感により細かく対応してもらえるのはうれしいことですが、一方で着用目的によって選ぶべき妊婦帯も変わってくるため、ほしい機能と妊婦帯の特徴がマッチしたものを選べる知識が必要になってきます。
妊婦帯は大きく分けて5つ
現在挙げられる妊婦帯のタイプは大きく5つです。
●腹巻タイプ●パンツタイプ
●さらしタイプ
●サポートベルトタイプ
●骨盤ベルトタイプ
以下、個々の特徴についてご紹介していきます。
●腹巻タイプ
筒状でいわゆる腹巻に似た形。腹帯(ふくたい)タイプと呼ぶメーカーさんもあります。
さらにお腹や腰のサポート布を内蔵(裏打ちが縫い付けられている)したもの、サポートベルトがつけ外しできるタイプがあります。
綿混率が高い素材で作られているため肌当たりはやさしいですが、サポート力は軽め。*ただし、セパレートベルトをプラスすることでサポート力を上げることも可能です。
保温を重視したい方、締め付けに弱い方に向いています。
お腹が小さいうちから着用しやすい形ですが、ウエストの仕様によっては妊娠後期に苦しく感じることも。
妊婦帯の下辺部分がヒップにかかったり、厚め素材のものもあるため、アウター選びにはちょっと注意が必要な場合もあります。
●パンツタイプ
一枚でショーツと妊婦帯機能を同時に済ませられるタイプ。
従来マタニティガードルと呼ばれていたものもここに含まれます。
身生地の素材によってサポート力に違いが出やすいタイプでもあります。
綿ベースの素材のものはショーツに近く、ポリエステルベースのものはガードルに近いはき心地。
一枚で完結するのでもたつかず、スッキリとしたマタニティファッションが楽しめます。
サポートベルトは全体的に、あるいは一部分が縫い込まれているのでズレることがなく妊婦帯の中ではもっとも動きやすい形でもあります。
ベルト調節ができる仕様の場合、お手洗いのたびにベリベリ!という音が気になることがあります。
●さらしタイプ
帯状のさらしで出来たもの。お腹の大きさや好みのサポートに合わせて調節ができる究極のフリーサイズ。
オーソドックスな帯状のものの他、巻き始めがズレにくいよう面ファスナーなどがついているもの、巻き終わりのフィット感が良いよう一部伸縮性の布に切り替えられたものなどもあります。
お腹を支え上げるようにしながら締め付けないように巻くのが一般的ですが、巻き方によっては骨盤サポート目的にすることも可能。
上手に巻けるようになるには少し練習も必要。
着脱はササっとはいきません。
●サポートベルトタイプ
さらしタイプをすっきり、着けやすく改良したもの。
お腹に巻いてワンタッチテープで簡単に装着ができます。
お腹を支えるサポート力に優れたタイプで、重みが気になるのを助けます。腰痛や恥骨痛対策としても。
ある程度お腹の大きさがないとズレてしまう形なので、妊娠中期以降の使用に適しています。
直接肌に着けるとズレやすかったり当たりがハードだったり感じる場合は、ショーツや腹巻などの上から着用する場合も。この場合、お手洗いのたびにベルトを着けなおす必要があります。
●骨盤ベルトタイプ
妊婦帯の中では比較的新しいタイプ。
お腹のサポートではなく骨盤のサポート目的で作られたもの。
産前産後の骨盤のゆるみやバランスの変化をサポートします。
骨盤まわりの関節や靭帯、腰、恥骨への負担をケアし、出産後の骨盤ケアにも使えます。
サポートベルトタイプ同様、ショーツや腹巻などの上から着用します。
ただし、他のサポート下着と併用したい場合には注意が必要です。
妊娠中、保温と骨盤サポートの両方がほしい場合はサポート力のない腹巻やオーバーショーツと合わせて着用を。
産後、ウエストやヒップの引き締めがほしい時でも着圧の強いガードルとの併用は不可。
この場合は骨盤サポート機能付きの産後ガードルの着用がおすすめです。
サポートベルト同様、お手洗いのたびに着けなおす必要があります。
私にピッタリの妊婦帯は?
妊婦帯の特徴を踏まえた上で、用途やライフスタイルに応じた妊婦帯の選び方案をご紹介させてください。
求めるのは保温。
妊娠初期から後期まで長く使いたい。
苦しい下着はとにかく苦手。
リラックスして使いたい。
どちらかというと面倒くさがり屋。
求めるのはスッキリ感や動きやすさ。
パンツスタイルが多い。
働く妊婦さんである。
動きやすい、ずれにくいものがいい。
保温とサポートも程よくどちらもほしい。
ヒップラインはキレイでありたい。
帯祝いと普段の保温やサポートを一枚ですませたい。
双子ちゃんなどでお腹が特に大きい。
サイズ感やサポート力をすべて自分好みにカスタマイズしたい。
お腹を支える、骨盤サポート、一枚でどちらにも使えたらうれしい。
求めるのはお腹を支えるサポート力。
重たいお腹の辛さを軽くしたい。
暑がりなので涼しくサポートしたい。
求めるのは骨盤のサポート。
妊娠して骨盤ケアが気になるようになった。
恥骨など骨盤まわりに痛みがある。
20年以上、様々な妊婦帯を見てきての意見となりますが、これがすべてではありません。
腹巻タイプでも付属のベルトでサポートを強められるもの、パンツタイプでも厚手素材で特に保温を高めたものなど、物によって細かな特徴はまちまち。
妊娠期間を過ごす季節によっても求めるものは違ってきます。
【コラム】望む着用感は時代によっても変わる
昨今、グンと増えたパンツタイプの妊婦帯。
コットン製ショーツのような素材にお腹まわりや骨盤にパワーネット(あるいは単に二重になっている)の裏打ちがついたような形です。
実際に展示会や店頭などでそれらを手に取ってみた時の私の率直な感想は「ただのソフトサポートショーツ・・」でした。
普段からガードルやサポートショーツをはいたことがない人にとっては、妊婦帯のサポート力に違和感を感じる方も多く、そんな方に向けて、よりソフトでよりやさしい着用感の妊婦帯をとメーカー各社さんはソフトな着用感の妊婦帯開発に力を入れている模様です。
妊婦さんの年代によっても望む着用感や普段の下着事情も違い、妊娠前からガードルをはいたことがある40代前後の私くらいの世代には、それらのパンツタイプ妊婦帯は物足りなく感じるかと思います。
けれど、これまでショーツ以外サポートなしで過ごしてきた世代にはパワーネット付きのパンツタイプは頼もしいサポート力と感じることでしょう。
出産年齢の幅が広い現在において、下着の着用感の感じ方も違ってくるので、選び方も違ってくるのではと思っています。
最後に
妊婦帯は必ずしも着けなければいけないものではありません。
体調によってもつけ心地が変わってくるものでもあります。
けれど、着けることで重たいお腹や腰の違和感など妊娠中特有の悩みを軽くしてくれる存在でもあります。
一方で、妊婦帯のバリエーションは以前にも増して増えている。
よくわからないから、、、とイメージやランキングで決めたりせずに、店頭ならば実際に触ってみる、販売スタッフの方に相談してみる。通販ならば説明をよく読むなどして、あなたに合った一枚を選んでほしいと願っています^^
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