20年目の結論。マタニティブラは必要だと思う話

マタニティアイテムと関わるようになって

気づけば20年になります。

1999年9月入社と同時にマタニティカタログの担当になり、2008年に退職するまでほとんどずっとマタニティチームという経歴になります。その後もなんだかんだとマタニティアイテムからは離れず、、で気づけばこの年になりました

 

十年一昔ならば、二十年はふた昔というのでしょうか?!

マタニティアイテムから私はたくさんの学びや発見、喜びをもらってきたなあ、、というとなんだかたいそうな感じですが、でもそれが率直な気持ちです。とまあ、前置き長くなりましたが、初回の本日はマタニティブラジャーについてです。

 

目次

ブラジャー?マタニティじゃなくてもいいよね?

マタニティアイテムの中でもこれはすごい、是非たくさんの妊婦さんや産後ママに着けてほしい!と今も思うものの中で、真っ先に思いつくのはマタニティブラジャーです。

マタニティブラジャーとは、ここでは妊娠中や産後の授乳機能がついたブラジャーのこと。

着用期間はマタニティの時だけではなく、産後もずっと使えます。

こんな感じの留め具がストラップについているものは「ストラップオープン」と呼ばれる。ここを開けて授乳が出来るよ、というものです。

その昔は産前にしか着用しない正真正銘の?“マタニティブラ”なるものがありましたが、現在は見かけなくなりました。そんな一時期にしか使わないものにお金を出す人はほとんどいないからでしょうね。

何かと締め付けに弱い妊娠期の体を考慮したブラというメリットはありましたが、ノンワイヤーブラも数多い現在、締め付けの面からも淘汰されたのだろうなあ。

 

ノンワイヤーブラやカップ付きキャミの人気と共にマタニティブラを着ける人は減少傾向。

要するにマタニティブラじゃなくても着けていてラクチン、快適なブラはたくさんあるわけですから。

*マタニティブラのところをワイヤー入りブラにしても同様のことが言えると思います。

 

この時、たくさんの妊婦さんや産後ママたちが思うであろうこと。

 

ブラジャー?

マタニティじゃなくてもいいよね?

 

うん。そう思いますよね。

私もマタニティブラジャーの作りを知らず、妊娠授乳期のバストがどんな風に変化するのか?非妊娠期のバストとどう違うか?を知らなかったらやっぱりそう思うと思う。

各パーツごとに書き出すと長くなるので、今回はざっくり以下ににまとめていきます。

マタニティブラを着けることのメリットは?

マタニティブラの特徴はこんな感じ

 

着け心地:締め付けに弱い妊娠中や産後のママの体にやさしい工夫が多い。使われている素材がやわらかい、アンダーホックの数が多く調節しやすい。伸縮性のあるカップなど

 

ワイヤー:やわらかめ。カーブが大きく、バストへ食い込みにくい形。ワイヤーが入っている目的は寄せるではなく支える

 

授乳機能付き:クロス、ストラップ、ウィンドウ、フロントなどカップの開き方はいくつがある。グラマーサイズのバストも授乳中、しっかり支える

 

サイズ変化に対応:妊娠中や授乳前後のバストなど変化するサイズに対応するカップやアンダーベルト

これらが一体となって、非妊娠期とは違うバストをサポートします。

マタニティブラに使われているワイヤーたち。ものによってもまちまちですが、概ね普通のブラジャーに使われているものよりやわらかく、カーブも大きめ

知っておきたい、サイズ感の違い

マタニティブラでも普通ブラでもそう変わらないであろう、と思われる原因の一つはサイズだと思います。

例えば C70でしたら、普通ブラもマタニティブラも

 

アンダーは70㎝

トップは85㎝

 

です。

なんだ、サイズも一緒!と思いますよね。

 

じゃあ何が違うのか?と言いますとそれはカップ容量。

カップにおさまる量が違うのです。

例えばブラジャーのカップにごはんを詰めるとしましょう(いや、絶対やりませんけれど、ここではわかりやすくするためにあえての例えです!)

普通ブラのC70とマタニティブラのC70では、ごはんが入る量が違います。たくさん入るのはマタニティブラのほうです。

 

マタニティブラを始めて手にした時、私はその大きさに驚きました。

サイズを確認してみるとC70。

え?これでC70?もっと大きいと思った!

私の知っていたC70に比べるとそれはもっともっと大きいサイズのブラに見えた。その理由は上記のようなマタニティブラと普通ブラのつくりの違いによるものでした。

カップの違いは円錐とドーム型(半球形)にも例えられます。普通ブラのカップが円錐なら、マタニティブラは半球形といったところ

 

言われてみたら確かに、非妊娠期でもグラマーな方のバストと、授乳期で大きくなっているバストのそれは何だかバストラインの様子が違いますよね。

授乳期という期間限定であっても、ボリュームアップしたバストは重みを増していて下垂しやすい状況。

ゆえに、それをサポートするマタニティブラはバストラインを大事にしたい人にとって必要なものだと思うのです。

ところで乳腺ってどこ?

と、ここまではネットやカタログ、雑誌などのマタニティブラガイドでもよく見かける内容だと思います。

実際に、そんな風に編集したものを世に送り出したりしていました。

退職後、妊娠→出産→2年4ヵ月に及んだ母乳育児をし、以降はマタニティ下着のプラン二ングのような仕事もさせていただいたり、発信の仕方をブログという形にしてからも個人的な学びは深めてきました。

そんな中でも、マタニティブラについてイマイチ腑に落ちなかったことが一つありました。

 

それが

 

乳腺ってどこ??

 

というテーマでした。

 

*ええと、乳腺の意味はわかるのですが、ブラとワイヤーと乳腺の関係性を考えた場合に私にはモヤモヤがありました

 

そもそも、ワイヤー入りブラが妊娠授乳期に適さない理由としてよく挙げられるのが「乳腺を圧迫する」というもの。

確かに母乳の準備や与えている期間は乳腺の圧迫がよくないことは、簡単にイメージできました。

けれど、ワイヤーが入っている部分と乳腺を考えた場合、果たして

 

気をつけるべきは

ワイヤーだけなのか??

 

という疑問が残っていた。

マタニティワイヤーは大きめのカーブやL字型にすることでバストの圧迫はないように工夫されているにせよ、でもワイヤーだけが注目ポイント?の気持ちは常にありました。

そんな積年の疑問がこの本を読んでスッキリする。

この中にはバストについての図説が目白押しなのですが、中でも私が興味を持ったのは妊娠・授乳時と非妊娠時の乳腺の違い。*現在その図をグラフィックデザイナーの友人に依頼中。完成したら公開しますね

本日はその図がなくてごめんなさいなのですが、、

乳腺があるのはバスト全体であるので

 

ワイヤーだけを

気にするのはおかしい

 

という結論(?)に至りました。

これ、実は前々から某マタニティメーカーさんの重鎮のような方も近いことを言っておられたんですよね。。でも当時は○○さんが言ってたからというだけでは説得力に欠けるし、自分自身、いまひとつ理解しきれてない部分もあり、たくさんはお伝えしていなかった。

■当時の記事はこちらです↓■

「断乳帯なるもの」

「グラマーさんとカップ付きキャミ」

カップ部分が大事だった!

妊娠授乳中のバストにとって気になるのはワイヤーだけでなかった。

では実は乳腺との関連が高いパーツは??というとそれは

 

カップ部分

 

です。

マタニティブラのカップは“かぶり”部分がたっぷりしていてちょっと不細工(汗)なものも。けれどそれはバストをしっかり包んでサポートする役割からなのです

 

具体的には

 

・カップ部分が硬くないこと

・適度に伸縮性があること

 

です。

 

カップが硬く、バストを固めてしまうようなものはそれこそ乳腺を圧迫することに。

かといって、柔らか過ぎる素材でバストと共に下垂してしまうようなものもNGです。

このあたりの素材を考慮して作られているのはやっぱりマタニティブラと言えそう。

 

着けていてラクだし、買いやすいし、という理由は下着を選ぶ上で大事な要素ですが、そこだけで選ばずに、授乳期間中や卒乳後のこと、年を重ねての自分の体を考えることも時に必要かなと思うのでした。

 

高いマタニティブラだから出来ること

カップの話が出ると、ワコールマタニティのブラはちょっと値が張るけれどカップの素材感が秀逸だといつも思い出します。

伸縮性が高いのにサポート力もあるのでサイズ変化にもよく対応してくれるし、よく伸びてバストを包む点も優れているので、カップの大きさ自体は一見コンパクトでスッキリも見えるんですよね(もちろん、サイズにもよりますけれど)。

そしてこの品質はやっぱり良い素材だから実現すること。

 

なぜこんなに高いのだろう?

そんなに変わらないでしょ?

着けてもせいぜい一年くらい、節約したいなあ

 

等の気持ちもありますが、この値段で納得と私は思っていて、結局、ファーストブラから産後ブラまで複数枚買ってしまったのはワコールマタニティのブラでした。

 

そして、着けるメリットは?

上記のようなことから言えるマタニティブラを着けるメリットはこんな風だと私は思います。

 

バストラインと母乳を守り

ママとベビーのどちらにもやさしい

 

なので、ママもベビーもハッピーでいられるかなと。

 

一点、細かいことを挙げると(苦笑)カップ表面があまりレーシーなものは見た目はステキだけれど、授乳の際、ベビーのホッペがレース柄になる(!)ことがあるので、そういうのがイヤ、気になるという場合はシンプルなカップのものを選ぶと良いと思います。

育児期はママとしての顔がほとんどになりがちですけれど、下着選びを通して女性としての自分を大事にする気持ちは忘れずにいたいですね

最後に

妊娠や授乳を期にブラジャーを着けなくなった、真剣に選ばなくなった、という声は私の周りのママたちからもよく耳にすることです。

一方で、「自分を大事にすることは幸せなママになる上で大切なこと」と一緒に学んだママたちからは「ブラジャーを見直そうと思って」という声が聞こえてきて→相談を受けることがチラホラと。

*卒乳後しばらくしてから「やっぱりブラ大事よね!」と思い直した時のブラ選びの盲点についてはまた書きますね!落とし穴があります。笑

 

バストは女性にとってやっぱり特別なパーツなのだなあと授乳生活をとっくに終えた今でも考えさせられる機会が多い。

マタニティブラの特徴についてはかなり端折りましたが、それ以外の部分は20年間ブラを見続けてきてわかったことや感じたこと、率直に書かせていただきました。

マタニティブラじゃなくてもいいんじゃない、問題なかったよ、と言った声は今も昔も聞こえてくるのですが、やはり総合すると「それでも私は必要だと思う派」であります。

これを読んでくださったあなたが妊娠授乳期であったら、少しでもお役に立てたらうれしいですし、すでに卒乳後であったら、今後のブラ選びの意識に何かしらヒントになることがあったら幸せに思います。

 

お読みくださり、ありがとうございました^^

 

おがわめぐみ

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